桜は公園や学校、堤防などに多く植えられています。しかし近年は比較的大きくならない品種が販売されているので庭に植える方もいらっしゃいます。
植えて1~2年以内に枯れた場合は水やり不足、台風等による幹の傾き(根の切断)などある程度枯れた原因が想定できると思います。そこでここでは、庭に植えて5年以上のサクラ類が枯れた場合について、その原因と対策(復活方法)をお話ししていきます。
サクラ(桜)が枯れてしまった原因と対策(復活方法)
庭に植えて5年以上で既に庭に活着し開花もしていたのに元気が無くなり枯れ始めた、あるいは枯れてしまった、という状況をたまに見かけます。
こうした場合の原因は、大きく分けると次の3つが考えられます。
・幹や根の腐朽による枯れ
・病害虫による枯れ
・除草剤による枯れ
詳しく紹介していきます。
幹や根の腐朽による枯れ
サクラ類の幹の腐朽は剪定が最も多い原因です。
太枝の切り口から侵入した腐朽菌が幹まで達し、幹内部を腐らせて倒木などを引き起こします。
サクラ類は非常に腐りが入りやすい樹木です。このため剪定後は腐朽菌の少ない真冬に行い必ず癒合剤を塗ります。
根の腐朽は周辺の工事による根の切断が原因となることが多いです。切断口から侵入した腐朽菌が太い根を腐らせ、衰弱や倒木を引き起こします。サクラ類のそばで塀の設置や建物建設を行う場合は必ず切り口をきれいに切り戻し、癒合剤を塗るように工事業者にお願いしましょう。
病害虫による枯れ
病気
サクラ類には病気や害虫が多く発生します。しかし、木が枯れるほどの病害虫は多くありません。枯れるほどの被害をもたらす病気には「てんぐ巣病」「根頭癌腫病」がありますが、これらは明らかな病徴が見られるのですぐにわかります。てんぐ巣病は病徴のある枝を切り取ります。根頭癌腫病は残念ですが治療法がありませんので伐根処分します。
害虫
害虫ではコスカシバがあげられます。サクラ類にはつきものの害虫で木が大きくなれば枯れるほどの被害は稀ですが、幹径10㎝未満ぐらいの木に発生すると枯れることがあります。コスカシバは幼虫が幹内を食い荒らします。幹から木くずとヤニが出ていたら発生が疑われます。有効な薬剤を散布・塗布してください。
除草剤による枯れ
サクラ類を庭に植える方は、ある程度園芸の知識をお持ちの方が多いので、ご自身が庭木に影響のでるような除草剤は使用されないと思います。しかし、まれに隣地で使用した除草剤で枯れるというケースがあります。隣地まで伸びていた根が地中に浸透した除草剤を吸収して枯れてしまうのです。このケースは隣地側の低木や草本類には影響が出ていないが高木にだけが枯れている、隣地に雑草が枯れた跡があるあるいは生えていないなどの状況が見られます。このケースの場合は、隣地に頼んで除草剤の使用をやめてもらうか、隣地側には高木は植えないようにするしか方法はありません。
さいごに
いかかでしたでしょうか。
サクラ(桜)は春を知らせる素敵な樹種の一つです!
枯れたときの原因がこの中に当てはまらないという方は、お気軽にお問い合わせください。
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