【枯れたハナミズキが復活?】原因と対処法 ~枯れたハナミズキを復活できるか樹木のプロに聞いてみた~

庭木

現場に出ていると、「庭のハナミズキの元気が無く葉が段々少なくなってきた」「夏に急に葉が落ちた」「春になっても新葉が出ない」などハナミズキが枯れそう、枯れた、復活させたいなどの相談をたまに受けます。

また、メールでも同様の相談を受けることがあります。

まずは、ハナミズキが枯れているか確認!

まずは現状、枯れているかどうかを確認しましょう。

  1. 枝先や葉のあったつけ根に緑の芽があるかどうか
    • ある:生きていける可能性あり!
    • ない:残念ながら完全に枯れてしまっています
  2. 枝先を折ったときに、
    • しなっておれない、折れた断面が湿り気を帯びている:生きている可能性あり!
    • パキッと簡単に折れる、折った断面が乾燥している:少なくともその枝は折れています

太い枝も同じように切ってみて確認してみると、さらに枯れているかどうかを確認することができます。太い枝が何本も同じ状況なら木全体が枯れていると判断していいでしょう。

完全に枯れていなければ復活できる可能性はあります。

ハナミズキが枯れてしまった原因・復活方法

まだ生きている、あるいは枯れたハナミズキの代わりに新しいハナミズキに植え替える場合、どう対処したらいいかはその原因を突き止めるのがまず重要です。

ここでは植えて1~2年の場合とそれ以降の場合に分けて原因を探り、その対策を述べましょう。

植えて1~2年の場合

植えて1~2年以内に枯れたり、枯れそうになった場合は主に次の3つの場合が考えられます。

1.植え付け場所

 ハナミズキは水はけが悪い粘土質の場所、日が当たらない場所、風通しが悪い場所、根本に強い西日が当たる場所が嫌いです。もし植え付けた場所が当てはまるならそれが原因と考えられます。早めに水はけと風通しの良い日なたに植え替えましょう。

2.移植の時期と方法

 鉢植えや根巻をしてある苗ならいつでも植え付けができます。しかし、移植の場合は時期やその前後の方法が大切です。夏の移植や、何の移植方策を取らずに移植を行いませんでしたか?もしそうならそれが原因だと考えられます。

移植は根や幹にエネルギーが蓄えられている秋から冬にかけて行います。また、どんなに近場の移植でも、できれば半年以上前に「根回し」をし、掘り取り時は根の周りの土が崩れないように「根巻」を行います。これをしないと水を吸う根の先にある細根が無くなったり切れたりして枯れたり弱ったりします。また「水極め」で根鉢と鉢周りの土をしっかり密着させましょう。

また、支柱の設置も重要です。支柱は植えた木が倒れないようにするだけのものではありません。根鉢が動いてせっかく周囲に伸びだした細根が切れないようにするためのものでもあるのです。

移植の時期と方法が良くなかった場合は対処方法が限られます。根の発根を促す資材(メネデールなど)の投与が一般的です。弱った木の再移植はダメージが大きすぎて枯れるリスクが高まるのでやるべきではありません。

3.植え付け後の管理

 植え付け後の管理で重要なのは水やりです。

 植え付けたばかりの木はまだ周囲に根が張っておらず、小さな根鉢の中の水だけで生きています。このため根鉢が乾くと直ぐに水不足の状態となってしまいます。根鉢から出た細根が周囲の土に伸びるまで半年ぐらいの間は、周囲の土が乾いたらしっかり水やりをする必要があります。水やりの不足が考えられるなら今からでもしばらくはしっかりと水やりをおこないましょう。ただし、周囲の土が湿っているなら水やりは行わないでください。水のやりすぎは根の呼吸を妨げて根腐れになることがあります。また周囲に水分が多いと植物は根を伸ばす必要がないのでかえって発根を抑制することになります。

植えて数年たったときの場合

植えて数年経ってから枯れたり、枯れそうになった場合は主に次の5つの場合が考えられます。

1.病虫害の発生

 ハナミズキには様々な病気や害虫が出ますが、木を枯らすほどのものは白紋羽病とカミキリムシです。

 白紋羽病は病原菌のカビが根を腐らせて木全体を枯らしてしまう伝染性のある病気です。水はけの悪い場所で発生します。発病すると根や株本、周囲の土に白い綿状のカビが発生するので確認できます。この病気は残念ですが治療できません。病気の発生した木を早く抜いて土壌消毒を行うか土の入れ替えを行います。伝染性があり、多様な庭木に感染するのでこの場所にしばらくは庭木を植えてはいけません。

 カミキリムシは幼虫が幹の中を食い荒らします。ひどく食べられると樹幹内の水を吸い上げる管に穴があいて水が上まで上がらなくなり木が枯れてしまいます。幹から木くずがでるので直ぐにわかります。発見したら専用のスプレー式の農薬を木くずの出ている穴から注入して中にいる幼虫を殺します。

2.根腐れ

 水はけの良い庭土なのに植えて数年後に根腐れを起こす場合があります。表土の下に固く締め固められた地盤があり、表土と固い地盤との間に不透水層(地中の水たまり)ができていてハナミズキの根がそこまで伸びていってから根腐れが起こるからです。住宅建設時に重機で締め固められた場合などに見受けられます。植えた場所かその周囲を50~60cm掘ってみて明らかに硬い地盤や粘土質の地盤が出てきたらこのケースが考えられます。この場合は深さ1m程度まで水はけの良い土になりように土壌改良をする必要があります。困難な場合は高木の植栽はあきらめて低木か草花を植えるようにしましょう。

3.手入れの時期と方法

 これは主に強剪定を適期ではない時期に行ったケースです。

 落葉樹のハナミズキの剪定適期は落葉後から新葉が出るまでの間です。この時期なら高さを低くするなどの強い剪定が可能です。しかし夏場に強い剪定を行うと枯れたり弱ったりすることがあります。これは冬場は木の中にエネルギーが蓄えられているので強剪定という大手術を行っても回復することができるのですが、夏場は木の中に蓄えられているエネルギーが少ないので回復できずに弱ったり枯れたりしてしまうのです。もし剪定に関して心当たりがあるならば、次回からは自分で剪定するなら適期を守って行いましょう。それ以外の時期にどうしても剪定する必要があるならプロにお任せすることをお勧めします。プロはこの木はこの時期ならここまで切っても大丈夫という経験をつんでいます。

4.植えてある場所の環境

 これは隣に建物ができて日陰になったなど、生育環境が好ましくない方向に変化した場合です。多いのが隣地との境にブロック塀を造ったケースです。ブロック塀工事の際に根を切られたりコンクリートから出るアクで木が弱ることがあります。この場合は様子を見るしかありません。根が再生しアクが出なくなればやがて回復してきます。

5.除草剤の使用

 急に枯れた場合で多いのが実はこの除草剤によるものです。除草剤には成分が葉から吸収されるもの(ラウンドアップなど)、成分が根から吸収されるもの(ネコソギなど)に大きく分けられます。問題を起こすのは根から吸収されるタイプの除草剤です。雑草だけでなく周囲の草木も除草剤の成分を吸収してしまうからです。自分の家では使っていなくても隣の駐車場で使用した場合にも薬剤が地下に浸透し、駐車場下に伸びてきている根から成分が吸収されて枯れてしまったといった場合もあるので注意してください。除草剤で弱った場合は残念ですが対処方法はありません。

庭木は人が植えたもので自然に生えたものではありません。人工的な植栽です。ハナミズキのきれいな花・実・紅葉を毎年楽しむためには、植える場所をよく考え、植え付け後も適切な手入れしていきましょう。

さいごに

今回は、ハナミズキが枯れてしまったときの原因と復活方法について紹介してきました。

ハナミズキは、花を咲かせ、紅葉するため季節を感じられることで、人気のある庭木の一つです。
枯れてしまったときはぜひ一度この記事を読んでハナミズキが復活する方法を試してみてください。
ガーデンエクスプレスでは、剪定や伐採を中心としたお庭のサービスを承っておりますが、お客様のお庭のご相談も承っております。
もし分からないことがございましたらお気軽にご相談ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました