近年、空地や道路でオレンジ色の花の雑草をよく見かけます。
ナガミヒナゲシという植物です。
地中海付近が原産と言われる、ケシの仲間の外来一年草です。
50年ほど前に都内で確認されてから
あっという間に全国に広がりました。
この植物、実は恐ろしいほどの繁殖力を持っています。
その理由は、まず種の多さ。
6月頃に果実が熟しますが、一つの果実に1000~2000個もの種子ができます。
一株には多いと100個の果実ができますので
一株で10万~20万個もの種を作ります。
そして、種の大きさは0.5㎜程度の大きさしかないため、
風に飛ばされるだけでなく、
車のタイヤについて、全国に拡散されてしまったと言われています。
更に問題なのは、この植物は根や葉から
周囲の植物の生長を阻害する物質(アレロパシー)を出しています。
これにより、競合する他の雑草を凌駕してしまうのです。
群生したナガミヒナゲシはきれいですが、生態系への影響が心配されます。
いまのところ特定外来生物には指定されていません。
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